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物理的なセミナールームの環境整備
セミナーを行う会場を整えることも重要なセットアップの一環です。
会場に関しては、リアル会場とオンライン会場とで大きく異なりますので、ここではリアル会場を前提とした環境づくりについて解説します。
セミナー会場の環境づくりを考える上での大原則としては、「すべてはエネルギーである」ということに尽きます。
講師のエネルギーが最大限参加者に伝わるようにセッティングしなければいけません。
優先度の高い環境セットアップ
①机は外すべき
そのために一般的なセミナー会場で最大の障害になってくるのが実は机です。
ほとんどの貸し会議室では机と椅子がセットで置かれていることがほとんどかと思いますが、机がある状態でのフロントセミナーはお勧めしません。
なぜなら、机があるというだけで参加者のフォーカスが机(メモ・ノート)に行ってしまうからです。
フォーカスが講師に向くようにするためには、机はなしで、椅子のみのセミナーとすべきです。
これはもはや世界中のセミナーの常識ですし、米国では大学でさえ机を用意しないところもあるくらいです。
もっともこれはフロントセミナーに関する話です。
実際にコンテンツを提供する講座型のセミナーでは、参加者の学習のために机を用意するという判断はありでしょう。
②椅子の配置のルール
椅子の配置にも気をつけてください。
多くのセミナールームでは、左右2ブロックに分けて椅子(&机)が配置されていることがほとんどです。
ですが、真ん中に通路を作るのはNGです。
講師のエネルギーがいちばん集まるところが空いていると、抜けていってしまうからです。
敢えて真ん中に通路を作らず1ブロックに椅子を固めるか、
通路を作るなら3ブロック配置にして左右のブロックは講師のほうに椅子を向けて配置する形式が望ましいでしょう。
席配置のイメージはこんな感じです。
小さい部屋なら真ん中の1ブロックだけにするイメージですね。
③演台の後ろに立たない
また、講師の側からしても、演台を使って話すのはお勧めしません。
資料やレジュメ等を演台において話したくなるかもしれませんが、
参加者と講師の間に演台があるというだけでエネルギーが伝わりにくくなってしまいますので、
もしレジュメ等を置きたいのであれば演台ではなく譜面台を用意することをお勧めします。
④手持ちマイクはできるだけ使わない
ほとんどの場合、それほど大きくない会議室でセミナーを行うことがほとんどだと思われますので、マイクは不要でしょう。
しかし、会場がある程度大きい、参加者がかなり多い、もしくは講師の声が小さいといった理由でマイクを使う必要がある場合は、
できるだけ手持ちマイクではない方がお勧めです。
やはり、講師としてはボディランゲージを大きくしたいですから、片方の手にマイクを持っているというだけで片手の動きが制限されてしまいます。
ヘッドセット型のマイクを用意できるようであれば、それを使うのがおすすめです。
⑤ホワイトボードとディスプレイの配置
また、リアル会場の場合は、会議室に用意されたホワイトボードを使うことになると思いますが、
パワーポイントなどのスライドを表示したり、PCの画面を共有したりするたるためにディスプレイ(プロジェクターや大型テレビ)を使うことがあると思います。
会議室の構造的な制約がある場合を除いて、必ずホワイトボードは右側に、ディスプレイは左側に置くのがルールです。
プロジェクターを使う場合、スクリーンが参加者の正面に配置されているパターンも多いかと思いますが、
その場合は可動式のホワイトボードを右側に置くようにすると良いでしょう。
追加で行える環境セットアップ
⑥ステージの色づかい
ここからは絶対的なルールではありませんが、可能であれば行うと良い環境セットアップに関してお伝えします。
講師が立つ一段高いステージが設けられている場合、ステージの色は黒が理想です。白でもOKです。
これらにも余計なものを排除するという意味と権威性を高めるという意味があります。
そういう意味で実は茶色はNGです。
ステージが木でできている会場というのもそこそこあるので難しいところですが、
木の茶色は温かみがあり、安心感を与える色なので、セールスセミナーの環境づくりとしてはできれば避けたい色となります。
⑦会場に置くと良いもの
また、講師の権威性を高めるという意味で言えば、ステージ上に花を置くと格が上がります。
また、講師自身の出版している書籍があるなら、それを参加者に見えるように置くのも良い方法です。
もし講師自身やコンテンツが表現したい世界観があるなら、
会場の入り口や後方にそれを表現したポスターやパネルなどを置くというのも良いでしょう。
まとめ
というわけで、会場の環境づくりに関してはどれも絶対というほどのものではありません。
ただ、参加者に与える心理的な効果を考えると、用意できるものは用意しておいて損はないものばかりですので、
可能な準備はできるだけしておくというぐらいに考えていただければ良いでしょう。